お急須の正しい使い方、ご存じですか?
こんにちは。お食事処やまに 女将の鈴木弘子です。
お客様にお茶をお出しするとき、「女将さん、急須のフタの穴ってどこに向けるのが正しいの?」と聞かれることがあります。実はこの“お急須の穴の向き”、意外と知られていないけれど、大切な所作のひとつなんです。
今回は、和のおもてなしにも欠かせない「お急須」にまつわる豆知識を、女将らしく優しく丁寧にお伝えいたします🍵
■ 急須のフタの“穴”はどこに向ける?
ずばり、フタの小さな穴は「注ぎ口の方向」に向けるのが正解です。
この穴は、注ぐときに空気を取り込み、お茶をスムーズに注ぐために空気の通り道となる「空気穴(エアホール)」の役割を果たしています。注ぎ口の反対方向に向けてしまうと、注いでいる最中にお茶の流れが悪くなり、ぽたぽた垂れてしまう原因にも…。
ご自宅でお茶を淹れるときや、お客様にお出しするときも、この穴の向きに気を配るだけで、所作がぐっと美しく見えるんです。
■ 急須のフタの正しい閉め方とは?
フタの穴の向きが分かったら、今度は“フタの閉め方”です。きちんと閉まっていないと、傾けたときにフタがガタついたり、お茶をこぼしてしまうことも。
正しい位置にフタをセットすると、カチッとした感触があります。回して無理に合わせる必要はなく、自然に“穴の向き=注ぎ口”にすると、ピタリとハマる構造になっている急須も多いですよ。
また、お茶を注ぎ終えた後は、すぐにフタを取っておくのがおすすめです。湿気や熱がこもるのを防ぎ、急須の中を衛生的に保てます。
■ 「きゅうす」とは?急須の基本をおさらい
急須は、お茶を丁寧に淹れるための和の道具。小ぶりで片手で持てる形が特徴で、日本茶文化には欠かせない存在です。
急須にはいくつか種類があります:
- 横手急須:最も一般的な形で、取っ手が横についているタイプ。
- 後手急須:ポットのように後ろに取っ手がついているタイプ。
- 上手急須:珍しいタイプで、取っ手が上についています。
急須の材質にも種類があり、常滑焼(とこなめやき)や萬古焼(ばんこやき)などが特に有名ですね。土の種類や焼き方によって、お茶の味わいも変わるんですよ🍃
■ 急須の選び方と扱い方のポイント
せっかくなら、お気に入りの急須を長く使いたいもの。以下の点を意識してみてください。
1.使いやすさで選ぶ
手になじむ大きさ、注ぎやすい重さが大切です。特に女性の手には、小ぶりのものがおすすめ。
2.お手入れしやすいものを
細かい茶こしがついたものは便利ですが、洗いやすい形状かどうかもチェックを。洗剤は基本不要。ぬるま湯でさっと流すだけで十分です。
3.“毎日使いたくなる”デザイン
器と同じで、急須も見た目が大事。お気に入りの形や色を見つけて、気持ちの上がるお茶時間を楽しみましょう。
■ 「お茶を淹れる時間」も、おもてなしのひとつ
急須で丁寧に淹れるお茶には、気持ちが込もっています。
例えば、急須をそっと傾ける音、ふわっと広がる香り。そして、湯呑みに注がれる緑茶の色合い…。それは「和の五感」を味わうような、心豊かなひととき。
わたしは、お店でお出しするお茶も、できる限りその“和の時間”を意識してご用意しています。「ああ、いい香り」「なんだかホッとする」…そんな声を聞くたびに、急須の力ってすごいなぁと思うのです。
■ 急須が教えてくれる“和のこころ”
急須の使い方ひとつにも、先人の知恵やおもてなしの気持ちが詰まっています。
「フタの穴の向きなんて、気にしたことなかった」
そんな方こそ、今日からほんの少し意識してみてください。
一杯のお茶が、もっと美味しく、もっと心に残る一杯になるかもしれません。
女将 鈴木弘子
📍 お食事処やまに
地元・磐田のしらすを使った「しずおか紅白丼膳」、丁寧に仕立てた小鉢の数々が並ぶ「花かご御膳」など、女性にも人気の和食処。
- 住所:静岡県磐田市塩新田53
- 電話:0538-55-5031
- 営業時間:昼 11:30~14:00/夜(予約制)17:30〜21:00
- 定休日:月曜・第3火曜


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