お箸の持ち方ひとつで「品格」はにじみ出る
「お箸の持ち方なんて、そんなに気にしなくても…」
そう思っている方、実は損をしているかもしれません。
和食の食卓では、お箸は「心の延長線」と言われるほど、使い方にその人の人柄や品格がにじみ出ます。
実際に、丁寧にお箸を扱う人を見て「素敵だな」「育ちが良さそう」と感じた経験、ありませんか?
なぜ「正しい持ち方」が大切なのか
お箸の正しい持ち方とは、上の箸を人差し指と親指、中指で支え、下の箸は薬指と親指で安定させるスタイル。
この持ち方を身につけているだけで、食事中の動作がとても滑らかで美しく見えるのです。
反対に、力を込めすぎてガチガチになっていたり、クロスしていたりすると、お料理の魅力も半減してしまいます。
「どんなに上等なお料理も、雑なお箸づかいで台無し」──というのは、料亭の現場でよく耳にする言葉です。
心遣いは、箸先から伝わる
和食マナーの神髄は「相手を思いやること」。
お箸の扱いには、それがはっきりと現れます。
例えば、大皿料理を取り分けるときに、うっかり逆さ箸をしてしまう方も多いのですが、これは実はNGマナー。
お箸を上下逆にして使う行為は、一見「配慮がある」ように思えますが、手で持っていた側が料理に触れてしまうため衛生的ではなく、また「箸の反対側は神さまのもの」とも言われるように、神聖な意味からも避けるべき作法です。
取り分けの際には、取り箸をお願いするか、「取り箸をお使いください」と声をかけられると、より美しい所作として印象に残ります。
和の所作は、一生ものの美しさ
美しい箸づかいは、一朝一夕では身につきません。
ですが、日々意識を重ねることで、少しずつ所作に「ゆとり」と「しなやかさ」が生まれます。
その姿は、まるで着物をまとった人の歩き姿のように、静かで品があり、人の心に残るのです。
まとめ:和食の基本は「お箸」から
「和の所作美人」は、特別な人だけが目指すものではありません。
ほんの少しの意識と練習で、誰でも“心ある所作”を身につけることができます。
まずは今日の一食から。
お箸の持ち方を見つめ直すことが、美しい食の第一歩になるかもしれません。


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