和食の心、次世代へ:外国人に教えたい『和食の美しい作法』
「いただきます」「ごちそうさま」
その一言に、日本人の感謝の心が込められています。
和食は、ただお腹を満たすものではなく、心と心をつなぐ文化でもあります。
近年、和食はユネスコ無形文化遺産にも登録され、世界中で注目される存在になりました。
お寿司や天ぷら、味噌汁といった料理だけでなく、食事のいただき方や作法の美しさにも魅了される外国人が増えています。
今回は、海外から日本を訪れる方に知っていただきたい「和食のマナーと所作」を、いくつかご紹介したいと思います。
1. 食前と食後のご挨拶は「心の作法」
日本では、食事の前に「いただきます」、食後に「ごちそうさまでした」と挨拶します。
これは、料理を作ってくれた人、素材を育ててくれた自然や生産者への感謝を表す言葉。
外国語に訳すのが難しい、日本独自の美しい文化です。
2. 箸づかいに宿る気遣い
和食に欠かせないのが「箸」。
箸には、使い方のルールとマナーがあり、相手への敬意や心遣いが表れます。
- さしばし(刺し箸)…食材を刺すのはNG
- はしわたし(箸渡し)…箸で人に食べ物を渡さない
- ねぶりばし(箸をなめる)…見た目にも美しくありません
- もちばし(箸を持ったまま話す)…話すときは一度箸を置きましょう
こうしたマナーを知っていると、「とても日本通ですね!」と喜ばれることもあります。
3. 器の扱いも、美しい振る舞いのひとつ
和食では「器の使い方」にもマナーがあります。
- ご飯茶碗やお椀は、手に持っていただくのが正式
- 器を引き寄せるときは、箸ではなく手で
- 小皿などは、音を立てずに静かに置く
器は料理の一部。器を大切に扱うことは、料理人やもてなしの心を大切にするという意味にもつながります。
4. 配膳の位置にも意味がある
和食では、器を置く位置にもルールがあります。
たとえば、ご飯は左手前、汁物は右手前。お箸は手前に水平に置きます。
これには「左を主食・右を副食とするバランスを意識する」という考えが込められており、見た目の美しさと食べやすさを兼ね備えています。
5. 静かに食べることもおもてなし
日本では、食事中に大きな音を立てたり、にぎやかに話すよりも、食べることに集中して静かに楽しむことが美徳とされています。
(※そばなどは、音を立てて食べるのがOKという日本独自の習慣もありますが、これはまた別のお話…)
6. 「おもてなし」の精神を味わってもらう
和食は、料理だけではなく、空間・器・所作・心づかいすべてが調和して生まれる総合芸術のようなもの。
それを大切にしているのが、日本のおもてなし文化です。
お料理が出される順番、器の温度、席の配置…。
目には見えない細かな気配りが、和食をより豊かなものにしてくれます。
「ようこそ、日本の食卓へ」
外国の方が和食に触れるとき、最初は少し緊張するかもしれません。
でも、大切なのは完璧さより、敬意と興味を持つこと。
「この作法にはどんな意味があるんだろう?」「こうしていいのかな?」
そんな気持ちを持ってくださるだけで、日本人としてとても嬉しく感じます。
そして、そんな体験を通じて、日本の文化や人のやさしさを感じていただけたら――
それこそが、和食が世界に誇る「心のおもてなし」なのかもしれません。
おわりに
お食事処やまにでは、地元・静岡の食材を使った和食を通じて、日本の魅力をお届けしています。
外国のお客様にも、日本の「丁寧さ」や「優しさ」を体感していただけるよう、スタッフ一同心を込めておもてなししております。
日本文化に触れたい時、日本人のやさしさにふれたい時、ぜひお立ち寄りください。
心をつなぐ和食の世界へ、ようこそ。
📍お食事処やまに
女将 鈴木弘子
住所:静岡県磐田市塩新田53
電話:0538-55-5031(受付時間 9:30~19:00)
公式HP:https://yamani-iwata.com
*ランチ予約はHPから、夜の会食はお電話でどうぞ♪


コメント