五感で味わう和食の世界:器で変わる料理の香りと味わい

やまに女将

こんにちは。
「お食事処やまに」女将の鈴木弘子です。

私は静岡県伊東市・八幡野の出身。
毎日、大室山を眺めながら育った、海と山に囲まれた自然っ子です。

実家は海の見える小さな旅館。
人をお迎えする背中を、両親から見て育ちました。
お客様が笑顔で帰っていく姿が、子ども心にとても好きでした。

その原点が、今の私の女将の仕事につながっています。

磐田に嫁ぎ、「やまに」で大将と二人三脚。
地元・福田漁港のしらすや旬の食材を使いながら、
“体にやさしく、心がほっとするごはん”を大切にしています。

最近は発酵や麹の世界にも惹かれています。
日本の知恵ってすごいなあと、日々勉強中です。
腸が喜ぶごはんは、心まで元気にしてくれると感じています。

着物でお出かけするのも好き。
旅も好き。
人とおしゃべりするのはもっと好き。

お店で見かけたら、どうぞ気軽に
「女将さん!」と声をかけてくださいね。

“また来たよ”のひとことが、私の宝物です。

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和のおもてなし便り

五感で味わう和食の世界:器で変わる料理の香りと味わい

こんにちは。やまにの女将です。
今日は少しだけ、「器(うつわ)」のお話をしてもいいでしょうか?

「美味しい和食をいただくとき、何に盛られているかなんて気にしたことがない…」
そう思う方もいらっしゃるかもしれません。
でも実は、器って、料理の香りや味わい、気持ちのゆらぎにまで関わってくるんです。

香りは“器の口元”から広がる

たとえば、やまにでお出しするお吸い物の器。
ほんの少し丸みのある蓋付きのお椀でお持ちします。
お客様が蓋をそっと開けた瞬間――ふわりと立ちのぼる出汁の香りが、心にやさしく届くんです。

この“ふわり”を生むのが、器の形と厚み。
口が少し狭くなっているお椀は、香りを中に閉じこめておいて、
蓋を取った瞬間に「演出」として一気に香りを開放してくれます。

まるで香水の瓶のように、器が香りを届けてくれるんですね。

味わいにも変化を生む、器の素材と手触り

器は「見た目を整えるための道具」と思われがちですが、食感や温度の感じ方にも大きな影響を与えます。

たとえば、冷たい料理には“ガラスや磁器”がぴったり。
透明感や艶のある器に盛るだけで、目からも涼しさが伝わり、
舌に当たる冷たさもより繊細に感じることができます。

一方で、温かい煮物や焼き物は、“陶器”のようなやわらかな質感がぴったり。
ほのかなぬくもりを手から感じることで、味の「まろやかさ」まで変わって感じられることもあります。

心を整える「和の器」の世界

和の器は、自然の色や風景を映すようなものが多いのも特徴。
たとえば、春には桜の模様、夏には青やガラス、秋には紅葉や土の色、冬には雪化粧のような白。
料理をいただくとき、その器に季節を感じると、心まで豊かになるんです。

以前、お一人でご来店された女性のお客様が、
「器を眺めていたら、小さいころ祖母の家で食べた煮物を思い出しました」
と、ぽろりとおっしゃいました。
器で過去の思い出を、振り返る…そんなこともできるんですね。

器は、単に食べ物をのせる“モノ”ではなく、思い出や心を運んでくれる静かな存在なのかもしれません。

器選びも、おもてなしの一部

やまにでは、お料理の内容だけでなく、「どの器に盛るか」も大切にしています。
季節やお客様の層、食事のシーンに合わせて、大将と一緒に毎回選びます。

ときには、華やかな女性グループのお席にだけ、明るい絵付けの器を使ってみたり、
ご年配の方には落ち着いた色味の器で、安心感のある食卓を演出したり。

料理と器が合わさったとき、初めて「和のおもてなし」が完成するのだと感じています。

おうちでも楽しめる「器の魔法」

最後に、忙しい毎日の中でもできる「器で楽しむ和食のコツ」をいくつかご紹介します。

  • ● 鮮やかな副菜は白い器に盛ると映えます
  • ● 茶色系のおかずには、深みのある藍色や黒の器が上品に見せてくれます
  • ● 冷たい料理にはガラス小鉢や青磁の器を
  • ● 食卓に季節感を出したいときは、箸置きや小皿で演出を

器は、買い足すばかりでなく、あるものを工夫して使うだけでも十分楽しめます。
日々のごはんがちょっと特別に見えたり、誰かに食べてもらいたくなったりするんです。

「器ひとつで、心も整う」

和食は「五感で味わう文化」と言われますが、
器を通じて、目で、手で、香りで、そして心で味わうことができるのが、和食の奥深さです。

やまにでも、料理と器の出会いを大切に、
お客様にそっと季節や想いを届けられるよう、今日も心を込めておもてなししております。

お料理の中の“小さな幸せ”を感じていただけたら、女将としてこれ以上うれしいことはありません。

ご来店の際は、どうぞ器にも、ほんの少し目を向けてみてくださいね

この記事を書いた人
やまに女将

こんにちは。
「お食事処やまに」女将の鈴木弘子です。

私は静岡県伊東市・八幡野の出身。
毎日、大室山を眺めながら育った、海と山に囲まれた自然っ子です。

実家は海の見える小さな旅館。
人をお迎えする背中を、両親から見て育ちました。
お客様が笑顔で帰っていく姿が、子ども心にとても好きでした。

その原点が、今の私の女将の仕事につながっています。

磐田に嫁ぎ、「やまに」で大将と二人三脚。
地元・福田漁港のしらすや旬の食材を使いながら、
“体にやさしく、心がほっとするごはん”を大切にしています。

最近は発酵や麹の世界にも惹かれています。
日本の知恵ってすごいなあと、日々勉強中です。
腸が喜ぶごはんは、心まで元気にしてくれると感じています。

着物でお出かけするのも好き。
旅も好き。
人とおしゃべりするのはもっと好き。

お店で見かけたら、どうぞ気軽に
「女将さん!」と声をかけてくださいね。

“また来たよ”のひとことが、私の宝物です。

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