暮らしに活かす和の知恵:一汁三菜のバランスで整う、心と体
こんにちは。やまにの女将です。
みなさんは「一汁三菜(いちじゅうさんさい)」という言葉をご存じですか?
聞いたことはあっても、なんとなく「昔の食事の形かな?」と思っている方も多いかもしれません。
でも実はこの一汁三菜、現代の忙しい暮らしの中でも、体と心を整える“魔法のような食事スタイル”なんです。
今回はその魅力と、やまに流・日常に取り入れやすいメニュー例をご紹介しますね。
「一汁三菜」とは?
一汁三菜とは、ごはん+汁物+主菜+副菜二つで構成される、和食の基本的な献立形式です。
たとえば、お味噌汁(汁物)、焼き魚(主菜)、煮物や和え物(副菜)などが揃っていれば、それが一汁三菜。
バランスの良さが特徴で、主食・タンパク質・野菜・発酵食品など、日本人の体質に合った栄養バランスを自然に取り入れられるんですよ。
体だけじゃない。心にも効く“整う食卓”
ある日のこと、常連のおばあさまがこんなことをおっしゃいました。
「昔は毎朝、お味噌汁と漬物が必ずあったのよ。お味噌汁の香りで“今日も一日がんばろう”って気持ちになれたの。」
わたしはその言葉に深く頷きました。
一汁三菜の魅力は、味や栄養だけじゃなくて、食卓にリズムと季節感をもたらすこと。
汁物の湯気、煮物のやさしい香り、彩り豊かな野菜たち――それらが「整った時間」を作ってくれるんです。
食事が乱れてくると、体も気分も乱れてきますよね。
そんな時こそ、「今日は一汁三菜で整えてみようかしら」と思い出してもらえたらうれしいです。
やまに流・かんたん一汁三菜提案
ではここで、毎日取り入れやすい一汁三菜の例をいくつかご紹介します。
特別な食材や調理法はいりません。冷蔵庫にあるもので、すぐにできますよ。
【一汁三菜の例①:朝ごはん編】
- 主食:白ごはん
- 汁物:豆腐とわかめの味噌汁
- 主菜:焼き鮭
- 副菜①:ほうれん草のおひたし
- 副菜②:たくあんなどのお漬物
【一汁三菜の例②:お弁当にも応用できる昼食】
- 主食:玄米おにぎり
- 汁物:具沢山けんちん汁(夜に多めに作って朝温めても◎)
- 主菜:鶏の照り焼き
- 副菜①:卵焼き
- 副菜②:きんぴらごぼう
【一汁三菜の例③:やさしい夜ごはん】
- 主食:雑穀入りごはん
- 汁物:なすと油揚げの味噌汁
- 主菜:サバの味噌煮
- 副菜①:かぼちゃの煮物
- 副菜②:梅しそ和え
これらのメニューは、すべて季節の野菜や、冷蔵庫にあるものでアレンジ可能。
無理をせず、「なんとなく整ってる」くらいでいいんです。
※雑穀入りごはんは、ハードルが高いなぁと思われる方も
炊いた白米に混ぜるだけという、商品もありますので
うまく取り入れられたら…と思います。
おうちでも、外でも。“五感”で味わう食卓
和食には「五感で味わう」という言葉があります。
目で見て美しい、香りがよい、音(例えば天ぷらの“サクッ”)が心地よい、触感が楽しい、そして味わい深い。
やまにでも、そうした五感を大切にした御膳づくりを心がけています。
たとえば『花かご御膳』は、小鉢で一汁三菜以上の構成になっており、女性のお客さまにとても喜ばれています。
食卓の上で季節を感じることは、日本人ならではの暮らしの知恵でもあります。
さいごに──「ごちそう」は日常の中にある
「毎日ちゃんと作れない…」と悩むこと、ありますよね。
わかります!私も日々の忙しさでそう思うこともしばしばです。
でも一汁三菜は、豪華なものではありません。
“あり合わせで整える”という柔軟さがあってこそ、暮らしの中で続けられるんです。
今日の食卓に、お味噌汁とあと一品、野菜のおかずを添える。
それだけで、心も体もホッとする時間が訪れるはずです。
やまにのランチでも、「ちょっと整えたい気分」の日には、ぜひお立ち寄りくださいね
女将より


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