【和の所作美人】畳の歩き方の美学
はじめに
畳の上を歩く――それは、日本の美意識が息づく所作のひとつ。 茶道や華道、和室でのおもてなしの場面では、畳を美しく歩くことが品格を映し出します。 今回は、ヘリを踏まない、歩幅や姿勢の整え方など、畳を優雅に歩くためのポイントをお伝えします。
畳の構造を知ることから始めましょう
畳は、大きく分けて「畳表(たたみおもて)」「畳縁(たたみべり)」「畳床(たたみどこ)」で構成されています。 特に注意したいのが「畳縁」。ここには神聖な意味や格式があり、踏むことは避けるのが礼儀とされています。 古くは家紋や高貴な文様が織り込まれており、粗末に扱うことは大変失礼にあたったのです。
畳のヘリを踏まない理由
畳縁を踏まないのは単なるマナーではなく、歴史的背景があります。
・縁に織り込まれた家紋を傷つけないため
・畳の痛みを防ぐため
・武家時代には、縁に刀や針を仕込まれることを避けるための安全面から
現代では安全の意味は薄れましたが、「相手を敬う心」の象徴として守られています。
美しい畳の歩き方
1. 足の運び
和室では、膝を軽く曲げ、足裏を畳から離さないように「すり足」で歩きます。 畳をこするように静かに移動することで、衣擦れの音や足音を最小限に抑えられます。
2. 縦は八歩、横は六歩
これは茶道の所作に基づいた歩幅の目安です。 畳一枚を縦方向に八歩、横方向に六歩で歩くと、自然と小さめの歩幅になり、品よく見えます。
3. ヘリを避ける動き
進行方向に畳縁がある場合は、一歩手前で止まり、向きを変えてからまた歩き出します。 慣れないうちは、無理に避けようとして不自然になりがちですが、「縁を避ける」ことを意識するだけで姿勢が整います。
立ち居振る舞いのポイント
1. 姿勢
背筋を伸ばし、顎を引く。 肩の力を抜き、指先まで意識を向けると、全体の印象が凛とします。
2. 手の位置
歩くときは腕を自然に体の横に添えるか、女性の場合は軽く前で重ねると上品に見えます。
3. 座る・立ち上がる動作
正座から立つときは片膝を立ててから立ち上がり、足音を立てないようにします。 椅子席にはない静かな動きが、和室ならではの魅力です。
場面別・畳の歩き方
お客様を案内するとき
先導する側は、少し斜め前を歩き、お客様に背を向けすぎないよう配慮します。 振り返るときも腰から上を静かに回し、畳縁を踏まないようにします。
茶会・懐石料理の席で
器や盆を持って歩く場合は、さらに歩幅を小さく。 すり足と同時に上半身も安定させることで、揺れのない美しい動作になります。
おわりに
畳の歩き方は、単なる移動ではなく「相手への敬意」そのものです。 日常生活でも意識することで、自然と所作全体が整い、美しさが増していきます。 和の文化は、細部の所作から輝く――そう感じながら歩いてみませんか?
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女将からのひと言
「畳の上を歩くときは、足音も心も静かに…。そんな所作が、和の空間をさらに心地よくしてくれます。 やまにでのお食事の際も、どうぞ美しい所作でお過ごしくださいませ。」


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