おもてなしの心に触れる食卓:『ご馳走様』を伝える敬意と感謝
「ご馳走様」に込められた日本人の心
食事のあとに交わされる「ご馳走様(でした)」という言葉。日々何気なく口にしているこの言葉には、実は深い意味と、感謝の心が込められています。単なる食事の終わりの挨拶ではなく、「食べ物を準備してくれた人」への敬意、「命をいただいた」ことへの感謝、さらには「食べられる環境」に対する喜びまでも表しているのです。
「馳走」の語源は、走り回ること
「馳走(ちそう)」という漢字の意味をご存じでしょうか? 実はもともと、「人のために走り回ること」を意味しています。食材を集め、調理し、食卓を整える──その一連の行為こそが「馳走」。その労をねぎらう気持ちが「ご馳走様」という言葉に込められているのです。
昔は、家の近くで手に入る食材だけでなく、遠方まで足を運んでおいしいものを探し求めることもありました。その労力を思い、感謝を込めて「ご馳走様」と伝える。そんな習慣は、まさに日本人の細やかなおもてなしの心を象徴しています。
子どもに伝えたい「感謝の気持ち」
「いただきます」と同じく、「ご馳走様」も子どもたちに教えたい大切な言葉です。
食べることが当たり前のように感じられる時代ですが、命ある食材をいただいているという事実を、感謝とともに受け止めてほしい。作ってくれた人、食材を育ててくれた自然、関わったすべての人々への敬意。それを言葉にして表すことで、心も豊かになっていくのです。
現代の食卓でこそ大切にしたい
共働きの家庭や、外食や中食が増えてきた現代の食卓では、「ご馳走様」を伝える機会が減ってしまったという声もあります。
ですが、手を合わせて「ご馳走様」と伝える姿は、どんなに簡素な食事であっても、心を満たすもの。家族や大切な人と向き合うひとときに、感謝の言葉が添えられるだけで、食卓の空気がやさしく変わります。
たとえば、お惣菜を買ってきた日でも、食べる前に「いただきます」、食べ終えたら「ご馳走様」。それだけで、子どもたちは食事の意味を少しずつ学んでいきます。
「おもてなし」は言葉からはじまる
私たち日本人が大切にしてきた「おもてなし」は、決して高級な料理や華やかな演出だけを意味するものではありません。
丁寧にお茶を淹れ、「どうぞ」と差し出す。
小鉢を一つ添えて、「今日は暑かったですね」と声をかける。
そして食後には「ご馳走様でした」と、相手の時間を想って言葉をかける──。
こうしたささやかな気遣いの積み重ねこそが、「おもてなしの心」。その原点には、言葉の力があります。
さいごに
私たちが毎日繰り返している食事。その一つひとつの場面に、心を込めることで、日常が少し豊かになります。「ご馳走様」を口にするたびに、自分の周囲の恵みに気づく。そんな食卓を、これからも大切にしていきたいものですね。
【店舗情報】
お食事処やまに
女将:鈴木弘子
住所:静岡県磐田市塩新田53
電話:0538-55-5031(受付時間 9:30~19:00)
公式HP:https://yamani-iwata.com
*ランチ予約はHPから、夜の会食はお電話でどうぞ♪
女将より
食べることは、生きること。「ご馳走様」のひと言が、誰かの心をほぐすこともあります。今日も、やさしい食卓を囲めますように。


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