おもてなしの心に触れる食卓:相手のペースに合わせる和食の流儀

やまに女将

こんにちは。
「お食事処やまに」女将の鈴木弘子です。

私は静岡県伊東市・八幡野の出身。
毎日、大室山を眺めながら育った、海と山に囲まれた自然っ子です。

実家は海の見える小さな旅館。
人をお迎えする背中を、両親から見て育ちました。
お客様が笑顔で帰っていく姿が、子ども心にとても好きでした。

その原点が、今の私の女将の仕事につながっています。

磐田に嫁ぎ、「やまに」で大将と二人三脚。
地元・福田漁港のしらすや旬の食材を使いながら、
“体にやさしく、心がほっとするごはん”を大切にしています。

最近は発酵や麹の世界にも惹かれています。
日本の知恵ってすごいなあと、日々勉強中です。
腸が喜ぶごはんは、心まで元気にしてくれると感じています。

着物でお出かけするのも好き。
旅も好き。
人とおしゃべりするのはもっと好き。

お店で見かけたら、どうぞ気軽に
「女将さん!」と声をかけてくださいね。

“また来たよ”のひとことが、私の宝物です。

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和のおもてなし便り

おもてなしの心に触れる食卓:相手のペースに合わせる和食の流儀

こんにちは。やまにの女将です。
お客さまをお迎えする中で、何よりも大切にしているのが「その方が心地よく過ごせる空間」をつくること。
それは、お料理の味や器選びだけではなく、一緒に食事をする人との“間合い”にも表れるものです。

今回は、和食ならではの“おもてなしの美学”──
「相手のペースに合わせる」という流儀について、お話ししてみたいと思います。

「先に食べない」って、思いやり。

とある日の昼下がり、常連のお客さまが娘さんとご来店されました。
仲の良い母娘さんがお席につき、注文されたのはやまに人気の「花かご御膳」。
運ばれてきた彩り豊かなお料理に、娘さんがふと箸を止めて、母親の方を見て一言。

「お母さんの“いただきます”がまだだったよ」

私はその一言に、思わず心が温かくなりました。
食事はただ栄養を摂るだけではなく、共に味わう“時間”を共有するもの
先に食べ始めることで、相手に「急がせてしまう」ような空気をつくってしまうこともあります。

和食の世界では、「間(ま)」を大切にするという考え方があります。
料理の出すタイミング、会話のテンポ、そして箸を動かすリズム。
それを自然に“合わせにいく”というのが、美しい所作の一つなんですね。

ひと呼吸おいて、「どうぞ」を待つ

お祝いの席やお集まりなどでは、お膳が並ぶと自然と会話が弾みます。
でも、和食の作法では、主客(ホストとゲスト)を意識するのがとても大切とされています。

たとえば宴席では、まず主賓が箸を取るまで待つのが基本。
主賓が「いただきます」と口にし、箸を持ったタイミングで、まわりも同時に食事を始めるのが理想です。

こうした所作には、「あなたを大切に思っています」「お先にどうぞ」という
心の敬意が込められています。
「目上だから」「年長だから」という上下関係というよりも、場の流れを丁寧に整える美しさなのです。

子どもと一緒に学べる“食のリズム”

最近では、お子さまと一緒にご来店くださるご家族も多くいらっしゃいます。
その中で、ちょっとした嬉しい光景があります。

小さなお子さまが、ごはんを前にして手を合わせながら、「パパまだ~?」と待っている。
その姿を見て、お父さんが「よし、じゃあ一緒にいただきますしよう」と笑顔で答える。
そんなふうに、“食べるペース”を家族で揃えるって、とても素敵だなと思います。

もちろん、急いで食べなきゃいけない日もあるでしょう。
でも、ひとくち目の「いただきます」を、誰かの呼吸と合わせてみるだけで、食卓はふんわりとした温かさに包まれます。

“おもてなし”の正解は、相手の数だけある

和食のマナーや作法には、たくさんの“決まりごと”がありますが、
その根っこにあるのはいつも「相手を思う心」です。

「この方は今、ゆっくり味わいたい気分かしら?」
「先にひとこと声をかけたほうが、安心してもらえるかな?」
そんなふうに、ほんの少し想像するだけで、和のおもてなしはぐっと豊かになります。

さいごに──間を読む、おもてなしの稽古

やまにでは、スタッフ一人ひとりが「お客さまのペース」に寄り添うことを大切にしています。
料理を出すタイミングも、「お連れさまがトイレに行かれている間はお待ちしますね」など、
ほんの少しの配慮が、心地よいお食事時間につながると信じています。

和食の所作は難しく思われがちですが、
すべては“誰かのことを想う気持ち”から生まれたもの。
「相手のペースに合わせる」ことも、そのひとつです。

次の食卓では、ぜひその“間合い”を感じてみてくださいね☺️
ではまた…やまに女将より

この記事を書いた人
やまに女将

こんにちは。
「お食事処やまに」女将の鈴木弘子です。

私は静岡県伊東市・八幡野の出身。
毎日、大室山を眺めながら育った、海と山に囲まれた自然っ子です。

実家は海の見える小さな旅館。
人をお迎えする背中を、両親から見て育ちました。
お客様が笑顔で帰っていく姿が、子ども心にとても好きでした。

その原点が、今の私の女将の仕事につながっています。

磐田に嫁ぎ、「やまに」で大将と二人三脚。
地元・福田漁港のしらすや旬の食材を使いながら、
“体にやさしく、心がほっとするごはん”を大切にしています。

最近は発酵や麹の世界にも惹かれています。
日本の知恵ってすごいなあと、日々勉強中です。
腸が喜ぶごはんは、心まで元気にしてくれると感じています。

着物でお出かけするのも好き。
旅も好き。
人とおしゃべりするのはもっと好き。

お店で見かけたら、どうぞ気軽に
「女将さん!」と声をかけてくださいね。

“また来たよ”のひとことが、私の宝物です。

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