音までごちそう?天ぷらの“サクッ”の秘密

やまに女将

こんにちは。
「お食事処やまに」女将の鈴木弘子です。

私は静岡県伊東市・八幡野の出身。
毎日、大室山を眺めながら育った、海と山に囲まれた自然っ子です。

実家は海の見える小さな旅館。
人をお迎えする背中を、両親から見て育ちました。
お客様が笑顔で帰っていく姿が、子ども心にとても好きでした。

その原点が、今の私の女将の仕事につながっています。

磐田に嫁ぎ、「やまに」で大将と二人三脚。
地元・福田漁港のしらすや旬の食材を使いながら、
“体にやさしく、心がほっとするごはん”を大切にしています。

最近は発酵や麹の世界にも惹かれています。
日本の知恵ってすごいなあと、日々勉強中です。
腸が喜ぶごはんは、心まで元気にしてくれると感じています。

着物でお出かけするのも好き。
旅も好き。
人とおしゃべりするのはもっと好き。

お店で見かけたら、どうぞ気軽に
「女将さん!」と声をかけてくださいね。

“また来たよ”のひとことが、私の宝物です。

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旬を味わう

「この音、思い出せる?」

ある日、小さなお子さんがご家族と一緒にやまにでお食事をしていたときのこと。
天ぷらをひとくち食べたその瞬間、「サクッ!」という軽やかな音が響きました。

するとその子が、ちょっとびっくりしたように、でも嬉しそうな顔で言ったんです。
「ママ!いま、音がした!パリッて!」

お母さまは笑いながら「おいしい音だね」と返していて、私も思わず微笑んでしまいました。

そう、和食には “食べる瞬間の音” も、ごちそうのひとつなんです。
調理中の音が聞こえなくても、お料理を口に運んだとき、ちゃんと「おいしい音」が響く。
それは、五感で味わう和食ならではの楽しみ方です。

サクッと軽やか、天ぷらの音のひみつ

天ぷらを食べたときの「サクッ」という音。
これは、お料理が“上手に揚がっている証拠”なんですよ。

天ぷらは、食材に衣(ころも)をつけて高温の油でサッと揚げます。
このとき、余計な水分が抜けて、衣がカラリと固まることで、あの軽やかな音が生まれます。

油の温度が低すぎたり、衣が厚すぎると「べちゃっ」とした食感になってしまいます。
逆に、絶妙な温度とタイミングで揚げた天ぷらは、噛んだ瞬間に音でもおいしさを伝えてくれるのです。

和食は五感で味わう文化です

和食には、「五感で味わう」という大切な考え方があります。
つまり、目で見て、鼻で香りを感じ、舌で味わい、耳で音を聞き、手で器の感触を感じる。
すべてを使って楽しむのが、日本の食文化なんです。

その中でも、「音」は見落とされがちですが、実はとても大切な要素。
サクサク、パリッ、シャキシャキ…。
それぞれの音が、食材の新鮮さや調理の丁寧さを教えてくれます。

子どもたちに伝えたい“音のごちそう”

小さなお子さんほど、音に敏感です。
「この音なんだろう?」「パリッてした!」「サクサクしてて楽しい!」
そんな声が聞こえるたびに、私は心の中で「そうだよ、それが“和食の魅力”なんだよ」とうなずいています。

音を通して、食べることがもっと楽しく、もっと記憶に残る。
「音も味のひとつなんだよ」と伝えてあげることで、
食べることの楽しさや、食材への感謝の心が育っていくと私は信じています。

まとめ|音を味わう。それが和の食卓

天ぷらは、ただ揚げてあるだけの料理ではありません。
衣の中には、素材を大切にする心と、調理の技、そして “おいしい音”の演出 が詰まっています。

私たちの店では、今日も大将が、素材に耳をすませながら丁寧に天ぷらを揚げています。
お客様の「サクッ、おいしいね」の声が聞こえるたびに、厨房の奥で静かにガッツポーズしているかもしれません。

ぜひ、次に天ぷらを召し上がるときは、
「この音、聞こえる?」と、誰かに聞いてみてくださいね。

執筆:やまに女将/五感で楽しむ和の食卓より

この記事を書いた人
やまに女将

こんにちは。
「お食事処やまに」女将の鈴木弘子です。

私は静岡県伊東市・八幡野の出身。
毎日、大室山を眺めながら育った、海と山に囲まれた自然っ子です。

実家は海の見える小さな旅館。
人をお迎えする背中を、両親から見て育ちました。
お客様が笑顔で帰っていく姿が、子ども心にとても好きでした。

その原点が、今の私の女将の仕事につながっています。

磐田に嫁ぎ、「やまに」で大将と二人三脚。
地元・福田漁港のしらすや旬の食材を使いながら、
“体にやさしく、心がほっとするごはん”を大切にしています。

最近は発酵や麹の世界にも惹かれています。
日本の知恵ってすごいなあと、日々勉強中です。
腸が喜ぶごはんは、心まで元気にしてくれると感じています。

着物でお出かけするのも好き。
旅も好き。
人とおしゃべりするのはもっと好き。

お店で見かけたら、どうぞ気軽に
「女将さん!」と声をかけてくださいね。

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