梅雨の晴れ間、福田漁港の方角から潮の香りが漂ってくることがあります。磐田市で生まれ育った自分には、その匂いそのものが「ごちそうだ」と感じる瞬間です。
こんにちは、お食事処やまにの大将・鈴木保雅です。創業52年、今は女将の弘子と息子の翔登と三人で毎日厨房に立っています。今回は「なぜここまで福田漁港のしらすにこだわるのか」を、正直な気持ちで話してみようと思います。大阪の辻調理学校を卒業して、大阪でいくつかの店を経験してから22歳で実家に戻ってきた。あれからもう34年近くが経ちました。その間、ずっと変わらずに使い続けてきた食材がある。それが、福田漁港のしらすです。
こんな方におすすめ
- ✅ 地元・遠州の食材を使った和食が食べたい方
- ✅ 磐田市・浜松市近郊でランチやご会食のお店を探している方
- ✅ 素材へのこだわりを持つお店を選びたい方
- ✅ 福田漁港のしらすや静岡の旬の食材に興味がある方
- ✅ 家族みんなで安心して食べられる和食を求めている方

「近いから」ではなく「旨いから」使っている
よく「やまにさんは地元の食材を使っていてすごいですね」と言っていただきます。でも正直に言うと、最初から「地元愛」を前面に出していたわけじゃない。単純に、福田のしらすが一番旨かったから、ずっと使ってきた。それだけです。
大阪で修業していた頃、仕入れ先の違いで料理の出来がガラッと変わる経験を何度もしました。同じ魚でも、どこで水揚げされたか、どう扱われたかで、味が別物になる。その感覚が体に染み込んでいるから、地元に戻ったとき「福田港から届くしらすは何が違うんだろう」と素直に感動しました。
釜揚げしらすのふっくら感、生しらすのとろりとした甘さ。どちらも、遠くから仕入れたものとは明らかに違います。漁港から当店まで車で約10分という距離だからこそ実現できる鮮度。これは、チェーン店やスーパーにはない、地元の食堂だけが持てる強みだと思っています。
あるランチのお客様が気づかせてくれたこと
数年前の春、ランチにご来店いただいた70代のご夫婦のことが今でも頭に残っています。そのお客様は、しらすご飯を一口食べた瞬間に「あ、昔のしらすの味だ」とおっしゃった。昔、磐田や浜松で育った世代の方にとって、福田のしらすには特別な記憶があるんですよね。
その言葉を聞いて、改めて気づきました。食材には「旨い」以上の何かがある。育った土地の記憶を呼び起こす力がある、と。それからは「遠州の食材を使う」ことが、単なる品質へのこだわりだけでなく、お客様の食卓の記憶に寄り添うことでもあると強く意識するようになりました。
息子の翔登も旅館や飲食店での9年間の修業から戻ってきて、今は一緒に仕込みをしています。先日「しらすって、これだけ下処理を丁寧にやるものなんですね」と言っていて、少し誇らしかった。地元の食材を扱う姿勢は、次の世代にも確かに引き継がれている。そう実感しています。
✓ ここまでのポイント
- 福田漁港のしらすをこだわる理由は「地元愛」より先に「旨さ」があった
- 漁港から約10分という距離だからこそ、他店にはない鮮度を実現できる
- 地元食材は味だけでなく、食べる人の記憶や思い出にも寄り添う力を持っている
しらす料理を通じて見えてくる「季節」の話
しらすは一年中獲れるわけではありません。禁漁期間があり、解禁になると漁港が一気に活気づく。その「旬の始まり」の緊張感みたいなものが、毎年あって。解禁日に最初のしらすが届いた朝の感覚は、34年経った今も変わりません。
春の解禁直後は特に柔らかく、旨みが強い。夏に向けては少しだけ身が締まってくる。釜揚げと生では、同じしらすでも全く別の料理になる。日替わりランチの1,200メニューを超える中でも、しらすを使ったメニューは季節によって微妙に変えています。この「毎日変わる」という感覚が自分には性に合っていて、正直、料理を作っていて一番楽しいのはこういう瞬間です。
また、2026年5月下旬からは太刀魚を使ったランチも新しく始めました。太刀魚も遠州灘に縁のある魚。しらすとは異なる繊細な旨みがあって、お客様の反応を見ながら試行錯誤している最中です。女将が仕込む生姜麹や塩麹と合わせると、魚の臭みが消えてふっくら仕上がる。これも地元食材と手作り調味料の掛け合わせで生まれた一皿です。
「地元の食材を使っていて、特に釜揚げしらすはふっくらとしておいしかった」
ご来店のお客様より
法事やお祝いの席でも、しらすは欠かせない一品
やまにでは、ランチだけでなく法事御膳やお食い初め、宴会のお料理にも福田のしらすを取り入れることがあります。法事の席でご家族が集まり、「このしらす、懐かしいね」とひとこと話が弾む場面を何度も見てきました。
あるケースでは、磐田市内にお住まいの方が、遠方から来られたご親戚を迎えての法事御膳にご利用くださいました。「静岡らしいものを食べさせてあげたい」というご要望があって、地元しらすを使った小鉢を御膳に添えた。後日「親戚がとても喜んでくれた」というお声をいただいて、こちらまでうれしくなりました。料理って、席の雰囲気まで変える力があるんだと、改めて感じた出来事でした。
「法事の席で親戚等喜んでくれた」
法事御膳ご利用のお客様より
お食い初め膳でも、しらすは縁起ものとして喜ばれます。新鮮で柔らかいしらすは、赤ちゃんの「初めての食の儀式」にふさわしい一品だと自分は思っています。福田漁港の恵みが、磐田に生まれた新しい命の門出に寄り添えること、それが何より誇らしい。
「本音」を言うなら、地元の食材を使うことが一番の近道だった
食材選びには正解がないと思っています。高級食材を使えばいいわけでも、珍しい産地から取り寄せればいいわけでもない。お客様が「美味しい」と感じ、また来たいと思ってもらえる料理を作るための最短距離が何か、ということを考え続けた結果が「福田漁港のしらす」でした。
磐田に根付いて52年。これからも遠州の恵みを大切にしながら、三代目の翔登とともに、やまにらしい料理を作り続けていきます。女将の弘子が仕込む麹調味料も、地元食材の旨みを引き出すための大事な柱です。料理が好きで、地元が好きで、お客様が来てくれることがうれしい。その気持ちは、これからも変わりません。
まとめ:福田のしらすとともに、やまにはこれからも
福田漁港のしらすを使い続ける理由は、シンプルです。旨いから。鮮度が違うから。そして、遠州で育ったお客様の記憶と食卓をつなぐ力があるから。それが大将としての本音です。
お食事処やまにでは、ランチ・宴会・法事御膳・お食い初めなど、さまざまなシーンで地元食材を活かした和食をご提供しています。磐田市・浜松市・袋井市など遠州エリアからのご来店をお待ちしております。夜のご利用は完全予約制(6名様〜)ですので、どうぞお気軽にお問い合わせください。法事のお食事やご宴会のご相談も、丁寧に承ります。
📞 お電話でのご予約・お問い合わせ:0538-55-5031(受付時間 10:00〜19:00)


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