和の調味料の魅力:麹のちから──発酵がつくる“うま味”と“やさしさ”
こんにちは。お食事処やまにの女将です。
みなさん、「麹(こうじ)」って聞いたことありますか?
実はこの麹、ただの調味料の材料じゃないんです。
和食において、麹はまさに「見えない名脇役」。
発酵の力で、素材のおいしさをグッと引き立ててくれる、やさしい魔法のような存在です。
「塩麹」や「醤油麹」って何?
最近では、スーパーでもよく見かけるようになった「塩麹」や「醤油麹」。
実はこれ、蒸したお米に麹菌をつけて発酵させたものに、塩や醤油を加えてさらに熟成させた発酵調味料なんです。
やまにでも、鶏肉やお魚を塩麹に漬け込んでから焼いたり、野菜の和え物にちょっと醤油麹を添えたり。
それだけで、ぐっと旨みが深まって、まろやかで角のない味わいに仕上がります。
麹の力でやさしく、そして健康に
麹の魅力は、味だけではありません。
発酵の過程で生まれる酵素には、消化を助けたり、腸内環境を整えたりする力もあると言われています。
「なんだか最近疲れやすいなぁ」「食欲が落ち気味…」
そんなときこそ、麹のやさしさを感じてみてほしいんです。
「塩麹を使うと、鶏肉がしっとり仕上がる」とのこと。
実際にお客様からも「お肉がふっくらしてる!」「まろやかで上品な味」と嬉しいお声をいただきます。
添加物や強い調味料に頼らず、素材そのものを引き出してくれる──
それが、昔ながらの知恵と自然のちからを生かした、麹のすごさです。
「花かご御膳」にも、そっと一品
やまにの人気ランチ「花かご御膳」では、小鉢の一品に塩麹を使った和え物や、醤油麹でコクを出した煮物などを、季節ごとにお出ししています。
「これ、何で味付けしてるの?」と聞かれたときに、「実は、塩麹なんですよ」とお伝えすると、みなさん驚かれるんです。
「レシピをおしえてくれる?」というお客さまも実は多いです。
「やさしい味だけど、奥深い」
そんなお声をいただけると、麹の存在のありがたさを改めて感じます。
毎日の暮らしにも、ひとさじの発酵を
難しく考えず、まずは塩麹を野菜にかけてみる。
それだけでも立派な発酵生活の第一歩です。
冷蔵庫にひと瓶あるだけで、和え物・煮物・炒め物…いろんな料理がふくらんで、食卓がほっとする味に変わります。
和食って、手間がかかるように思われがちですが、実は昔の人の「工夫」と「知恵」が詰まっているんです。
その代表が、麹のちから。
体にやさしく、味わい深く、そして心をあたためてくれる──
そんな「和の調味料の魅力」、これからもお届けしていきたいと思います。
次回は、和食に欠かせない「醤油」についてご紹介しますね。
どうぞお楽しみに♪


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