磐田のしらすが全国でも特別においしい理由|遠州灘の海流と水温を解説
先日、県外からいらっしゃったお客様に「やまにさんのしらす、なんでこんなにおいしいんですか?」とまっすぐ聞かれまして、思わず顔がほころんでしまいました。
磐田で生まれ育ち、22歳からこの店に立ち、34年間ずっと福田漁港のしらすと向き合ってきた大将の鈴木保雅です。毎朝仕入れるたびに「今日もいいものが来た」とうれしくなるのは、何年経っても変わりません。
でも正直なところ、「なぜここのしらすがおいしいのか」を言葉できちんと説明したことは、これまであまりなかったように思います。そこで今回は、遠州灘という海が育む磐田・福田のしらすの魅力を、海のことが初めてという方にもわかるように丁寧にお伝えしたいと思います。
こんな方におすすめ
- ✅ 磐田・遠州エリアのしらすに興味がある方
- ✅ しらすがどうしておいしいのか、理由を知りたい方
- ✅ 福田漁港や地元食材にこだわったお店を探している方
- ✅ 旬のしらす料理を地元の和食店で味わいたい方
- ✅ お子様や家族と一緒に地元の味を楽しみたい方

遠州灘ってどんな海?まずは基本から知ってほしいこと
「遠州灘」という名前は聞いたことがある方も多いと思いますが、実際にどんな海かをご存じですか?
遠州灘は、静岡県の西部から愛知県の渥美半島にかけて広がる太平洋の一部です。外洋に向かって大きく開いた地形をしていて、波が高く、「遠州のからっ風」と同じく荒々しいイメージを持たれることもあります。でも、この「荒さ」こそが、しらすをおいしくする大切な条件のひとつなんです。
海が荒れると海底の栄養分がかき混ぜられ、プランクトンが豊富に発生します。しらすの赤ちゃん(カタクチイワシの稚魚)はこのプランクトンを食べて育つため、栄養豊富な遠州灘は、しらすにとって最高の育ち場所になるわけです。
しかも遠州灘には、黒潮の影響を受けた暖流と、深海からの冷たい水が混ざり合う「潮目」が生まれやすい地形的な特徴があります。この潮目のある場所はプランクトンがさらに集まりやすく、魚にとっての「天然のご馳走スポット」になるんですね。
水温と海流がしらすの味を決める、というのはなぜか
しらすはとても繊細な生き物で、育つ水温によって身の質が大きく変わります。水温が高すぎると身が締まりすぎてかたくなり、逆に冷たすぎると脂の乗りが不足します。
遠州灘は年間を通じて比較的安定した水温を保ちながら、春から夏にかけて黒潮の影響で適度に温められます。この「ちょうどいい水温」が、身がふっくらとして口の中でとろけるような、やわらかいしらすを育てるんです。
また、海流の話をもう少しだけ。遠州灘には黒潮本流の支流が流れ込んでいますが、この黒潮はミネラルを豊富に含んでいます。ミネラルを含んだ海水の中で育ったしらすは、うまみ成分が凝縮されやすく、加熱したときに余計な臭みが出にくいという特徴があります。
やまにでお出しするしらすが「ふっくらして、臭みがない」とよく言っていただけるのは、こうした遠州灘ならではの環境が背景にあるからなんです。大将として34年間、毎日この海のめぐみを受け取り続けて、しみじみそう思います。
✓ ここまでのポイント
- 遠州灘は外洋に開いた地形で、海が荒れることでプランクトンが豊富に発生し、しらすの栄養環境が整いやすい
- 黒潮の影響を受けた暖流と深海の冷水が混ざる「潮目」がうまみ豊かなしらすを育てる
- 適度な水温とミネラル豊富な海水が、ふっくらやわらかく臭みの少ないしらすを生み出す
福田漁港という場所が持つ、もうひとつの強み
遠州灘の恵みを最大限に活かせるのが、磐田市にある福田漁港です。お食事処やまにから車でちょうど10分ほどの距離にあります。
しらすは鮮度が命です。水揚げから時間が経つほど、あのふっくら感はどんどん失われてしまいます。福田漁港の最大の強みのひとつは、漁場から港までの距離が近いこと。沖合で網を引いてから水揚げまでの時間が短いため、しらすへのダメージが少なく、鮮度が保たれやすいんです。
漁は主に「船曳網漁(ふなびきあみりょう)」という方法で行われます。2隻の船で大きな網を引いて、まとめてしらすをすくい上げる漁法です。網の中で無駄に暴れさせないよう、手際よく引き上げることが鮮度を守るポイントになります。福田の漁師さんたちの技術と経験が、この一手間を支えています。
やまにでは毎日、この福田漁港から仕入れたしらすを使っています。「今日は生しらすが上がった」「今日は釜揚げにする」と、その日の水揚げ状況によって調理法を変えることも。毎日メニューが変わる日替わりランチが1,190種類を超えたのも、こうして毎朝の仕入れと向き合い続けてきたことと、どこかでつながっているような気がしています。
「地元の食材を使っていて、特に釜揚げしらすはふっくらとしておいしかった」
地元・磐田市にお住まいの方
しらすの「旬」を知っておくと、もっと楽しめます
しらすには漁の解禁・禁漁の時期があります。静岡県では毎年1月から3月頃が禁漁期間となっていることが多く(年によって変動があります)、この時期は生しらすをお出しすることができません。
解禁後の春から初夏にかけてが、まさに「走り」の時期。春の若いしらすは身が細めで透き通っていて、独特の甘みと繊細な食感が楽しめます。夏から秋にかけては脂が乗ってきて、ふっくら感がさらに増します。
釜揚げしらすは、この旬の生しらすを丁寧に塩茹でしたもの。やまにでは余計な味付けをせず、しらす本来のうまみが引き立つよう仕上げています。女将の手作り生姜麹を添えることもあって、これがまたよく合うんです。
「今日は生しらすが食べられますか?」とお電話でご確認いただくこともよくあります。漁の状況によってご用意できない日もありますが、その分「食べられた日」の喜びはひとしおです。ぜひ旬の時期を狙っていらしてください。
「仕出し量には、ボリュームもあり美味しかった」
ご利用いただいたお客様
やまにでしらすを味わう、おすすめの方法
お食事処やまにでは、しらすをさまざまな形でお楽しみいただけます。
ランチでは、地元食材を活かした日替わりメニューの中にしらす料理が登場することがあります。1,190種類を超えた日替わりランチの中に、しらすを主役にした一品が並ぶ日は、お客様からも特に喜んでいただけることが多いです。
宴会や会席コースでは、旬のしらすを使ったひと皿をお出しすることもあります。鮮度のいい釜揚げしらすを、県産生わさびとともにそのままいただく一品は、遠州の恵みを存分に感じられる瞬間です。「こんなにおいしいしらすを食べたのは初めて」と言っていただけたときは、本当にうれしいですね。
また、2階の個室をご利用いただくと、周りを気にせずゆったりとお食事を楽しめます。ご家族での特別な日や、法事・お食い初めなどのハレの席にもよく使っていただいています。大宴会場(32名)、中宴会場(20名)、小宴会場(12名)とご人数に合わせてご用意できますので、お気軽にご相談ください。
テイクアウトご希望の方には、電話でのご予約(限定10食)で日替わりランチのお持ち帰りにも対応しています。また、店舗前には24時間ご利用いただける冷凍自販機「ど冷えもん」もご用意していますので、お時間のない方にもうれしいと思います。
まとめ|遠州灘の恵みを、磐田で味わってほしい
磐田のしらすがなぜおいしいのか、その理由を整理すると——外洋に開いた遠州灘の地形がプランクトンを豊富に育て、黒潮のミネラルがうまみを凝縮させ、福田漁港の漁師さんたちの技術と鮮度管理がその恵みをそのままお客様の元へ届けてくれる。こうしたいくつもの要素が重なって、あのふっくらとしたおいしさが生まれているんです。
創業52年、磐田の地に根差したお食事処やまにとして、これからも地元の恵みを心を込めてお届けしていきたいと思っています。はじめていらっしゃる方も、久しぶりにお越しくださる方も、ぜひ一度、遠州灘が育んだしらすの味を味わいに来てください。大将・女将・三代目の三人で、心よりお待ちしております。
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